

現在、当院のリハビリテーション部は理学療法士(PT)11名で、患者さまに対して自宅復帰や施設入所を目標としたリハビリテーションを提供しています。
医師・看護師・メディカルソーシャルワーカーとのカンファレンスを毎週・毎月行い、個々にあった治療方針を検討しています。また、退院前にはケースカンファレンスを行い、介護サービス事業者と連携して自宅での生活サポートを行っています。
県内唯一の循環器専門病院として、狭心症・心筋梗塞・開心術後・大血管疾患・動脈硬化症・構造的心疾患(弁膜症等)などの疾患の患者さまにも対応し、再発予防のため冠危険因子や日常生活の注意点に関する運動指導も行います。
心不全・認知症、糖尿病教育委員会・リンパプロジェクト・給食委員会・NST委員会・褥瘡委員会・療養病棟運営委員会などの活動を通じて、チーム医療を実践しています。
糖尿病に関しては教育入院を実施し、各種検査を行って病気の理解を深め、良好な血糖コントロールを目指して生活指導・運動指導・栄養指導・服薬指導を他職種で行います。
また、リンパ浮腫患者さまの教育入院を実施し、セルフマッサージや運動方法、バンテージの装着方法、日常生活の注意点など自己管理に関する指導を提供しています。
- 心臓リハビリテーション指導士 6名
- 3学会合同呼吸療法認定士 1名
当院の心臓リハビリテーションでは、患者さんの疾患やリスクに応じて幅広い対応が可能です。特に以下の点が強みとなっています:
1.心臓リハビリテーションの対象となる疾患は、次のとおりです。
虚血性心疾患(急性心筋梗塞、狭心症)、慢性心不全、大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管手術後)、末梢動脈閉塞性疾患、経カテーテル大動脈弁置換術後です。
当院の心臓リハビリテーションでは、これらすべての疾患に対応が可能です。特に、頻度の多い虚血性心疾患では、運動対応の評価や適切な運動指導のみならず、食事栄養指導や服薬指導を通じて再発予防にも力を入れています。また、新しい治療である構造的心疾患(SHD)のカテーテル治療である経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)や経皮的僧帽弁接合不全修復術(TEER)後のリハビリテーションにも対応しています。手術前からの介入で、術後の回復を促進するだけでなく、その生活の質向上を目指して、包括的なサポートを提供します。
2.CPX(心肺運動負荷試験)評価
CPX 評価を活用することで、患者さんの心肺機能を正確に測定し、個々の運動耐容能に応じたプログラムを作成しています。これにより、安全かつ効果的なリハビリテーションを実現しています。
3.和温療法
和温療法は遠赤外線を利用した全身温熱療法で、心不全や動脈硬化症を抱える患者さんに対して効果的です。当院ではこの療法を取り入れ、血流改善や症状の緩和を図っています。

当院では、患者さんの病状や回復段階に応じたきめ細かなリハビリテーションを提供しています。
1.入院急性期リハビリテーション
急性期の患者さんに対しては、医師や看護師と密接に連携しながら、安全性を最優先にリハビリを開始します。ベッドサイドでの軽い運動から始め、徐々に歩行訓練や日常生活動作の改善に取り組みます。
2.外来リハビリテーション
退院後は外来リハビリテーションを通じて、患者さんが社会復帰や日常生活の充実を図れるよう支援します。定期的な評価とアドバイスを行いながら、運動習慣の定着をサポートします。
このように、当院の心臓リハビリテーションは、患者さんの健康回復と生活の質向上を最優先に、多職種による包括的な支援を提供しています。心臓疾患の予防から回復、再発防止まで一貫して対応できる当院でのリハビリテーションをご活用ください。