
当院では、最先端の医療技術を活用した「ハイブリッド手術室」を導入しています。この手術室は、従来の手術室と血管造影室(いわゆるカテーテル室)を一体化した特殊な環境を備えており、より安全かつ正確な治療を実現することができます。
1.心臓血管外科手術と血管内治療の融合
従来は別々に行われていた外科手術と血管内治療を、1つの手術室で一連の流れとして実施します。これにより、手術時間の短縮と安全性の向上が図られます。
2.リアルタイムでの診断と治療
高性能な画像診断装置を使用して、手術中に患者様の状態をリアルタイムで確認しながら治療を進めるため、精度が高く、安全な手術が可能です。
3.低侵襲治療の促進
以前は、開胸手術でしか治せなかった心臓病も近年では病態によって開胸せず、カテーテルにより治療を行うことができます。これにより患者様の体への負担を軽減します。
当院のハイブリッド手術室では、主に以下のような治療を行うことができます:。
TAVI(タビ);経カテーテル大動脈弁留置術
大動脈弁狭窄症の治療で、カテーテルを用いて人工弁を大動脈に留置します。開胸手術が難しい高齢の患者様にも適しています。
Mitra-Clip(マイトラクリップ);経皮的僧帽弁修復術
僧帽弁逆流症の治療で、心臓に負担をかけずに僧帽弁の修復が可能です。
ステントグラフト内挿術
大動脈瘤の治療において、破裂を防ぐために血管内に特殊な筒(ステントグラフト)を挿入します。
当院では、患者様お一人お一人に最適な治療をご提案し、専門医チームが全力でサポートいたします。ハイブリッド手術は、心臓血管疾患の治療に新たな選択肢を提供し、多くの患者様に質の高い医療を届けることを目指しています。
ご質問やご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
心臓血管外科 部長
坂倉 玲欧