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新着情報

新年のご挨拶

2025年 新年のごあいさつ

一陽来復

 令和6年を振り返りますと当地では元旦の大地震、9月の豪雨災害と二度の大規模な天災に見舞われてしまいました。辛い思いをされた方も多いかと存じます。前を向いて再建に奮闘しておられる皆さまの願いが通ずる一年となりますようお祈りさせていただきます。

 昨年6月の診療報酬改定で全国の医療機関は少なからぬダメージを受けていると聞いております。当院も例外ではございませんが何とか新年を迎えることができました。病院が利潤を追求する場になってはいけないと思いますが、新しい医療器具の投入が続いていること、デジタルトランスフォーメーションの動きが加速していることなどから設備投資の原資を確保することは大切です。医療をどこで受けるかは皆さまの裁量に任されております。標準水準を超えた医療をご提供できるように今年も努めて参りたいと考えております。

 いくら設備を整えても扱うのは従事している人間です。当院では以前より学会発表や研修会に積極的に参加してスキルアップに努めるとともに、院内での医療の改善活動を行って標準化・高度化にも努めてまいりました。また、広報活動も大切です。当院で行っている医療についてホームページで発信しているだけでなく、8月には金沢市や地元マスコミあるいは日本心臓財団等の後援を受けて一般市民の方に対し「健康ハートの日」のイベントを開催しました。また金沢市老人連合会と連携して循環器疾患に関する定期的な講習会も実施させていただいております。これらの活動も継続して選んでいただける医療機関であり続けられるように努力を続けて参ります。

 昨年からは医師に対しての労働時間の制限も厳しくなりました。私がこの職に就いたころは朝起きてから夜眠りにつくまでが労働時間…が当たり前でした。考えてみれば医療行為は倫理的であらねばならないのに従事している医師が「蚊帳の外」とはおかしな話でした。ただ代替要員の確保は困難です。「勤務時間を過ぎたので帰らせていただきます」と安易に口にできないのが医療の現場です。何とか遣り繰りしている現状を読者の皆さまにもご理解いただき見守っていただければ幸いです。

 当院は今年の5月で開院から丸34年となります。建物も古びてきたことから新病院構想の検討も続けていますが、この地で着実に歴史を重ねてきました。今年も石川中央医療圏での循環器診療の「最後の砦」の一つであり続けるように職員一同努力を続けます。令和7年も心臓血管センター金沢循環器病院をよろしくお願い申し上げます。

心臓血管センター金沢循環器病院
病院長 池田 正寿