金沢循環器病院|金沢PET画像診断センター|PET検査症例集

正常例

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●FDG(ブドウ糖に似た構造のPET検査用薬剤)を使ったPET検査は癌の検査としてよく知られるようになりましたが病気のない健常者の正常な臓器にもFDGは集積し描出されます(生理的集積)。

●健常者では脳、扁桃腺、唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)、心臓の筋肉、肝臓、脾臓、腸管、腎臓、膀胱といった臓器が描出されます。正常な腸管への集積は時間経過で分布が変化していきます(早期像→後期像)。この性質を利用して病的な集積(大腸癌など)と鑑別していきます。

●またFDGは尿中に排泄されるため腎臓や膀胱が描出されます。そのためPET検査の撮像の直前に排尿をしてもらうことで膀胱を空にして、診断の妨げとならないよう準備してから検査を開始します。

症例1:50才代女性、右乳癌術後、肝転移(再発)

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●病歴
5年前に右乳癌にて手術。
2年前に肝転移,骨転移が発見され化学療法を施行し治療した既往がある(転移巣は消失)。
再び腫瘍マーカーが増加し、乳癌の再発を疑いCT検査をしたが再発病巣が検出されなかった。
再発病巣の検索目的で当院へ紹介、FDG-PET検査を施行。
CT検査では検出されなかった肝転移がFDG-PET検査で検出された。

●画像所見
FDG-PET検査(左列):肝臓に転移巣を示唆する結節状の高度集積を認める(赤矢印)。

Fusion画像(PETとCTの重ね合わせ画像,右列1,2段目):肝転移の部位が明瞭に指摘できる(赤矢印)。

CT検査(右列3段目):CT検査では転移巣は不明瞭で指摘困難である(赤矢印)。

●経過
化学療法にて治療。

症例2:50才代女性、右乳癌術後、多発骨転移

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●病歴
4年前に右乳癌にて手術。
腫瘍マーカーの増加、背部痛があり骨転移を疑われCT検査を施行するも骨転移は不明であった。
再発病巣の検索目的で当院へ紹介、FDG-PET検査を施行。
CT検査で不明瞭であった骨転移(多発)がFDG-PET検査で検出された。

●画像所見
FDG-PET検査(左列および中央):胸椎、仙骨、左腸骨、左恥骨に多発骨転移を認める。
#1:胸椎転移。
#2:仙骨転移。
#3:左腸骨転移。
#4:左恥骨転移。

Fusion画像(PETとCTの重ね合わせ画像,右列1,2段目):CTのみでは不明瞭であった骨転移の部位が明瞭に指摘できる。

●経過
化学療法にて治療。

症例3:40才代女性、右乳癌術後、右胸部リンパ節再発 (前医での腫瘍マーカー:陰性、CT検査:異常無し)

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●病歴
3年前に右乳癌にて手術。
腫瘍マーカー陰性,CT検査でも特に異常は指摘されていなかったが再発病巣の検索目的で当院へ紹介、FDG-PET検査を施行。CT検査で指摘されていなかった右胸部リンパ節再発がFDG-PET検査で検出された。

●画像所見
FDG-PET検査(左列):右胸部にリンパ節転移を示唆する大きな腫瘤状および小結節状の高度集積を認める(赤矢印)。

Fusion画像(PETとCTの重ね合わせ画像,中央):大胸筋の背側に位置するリンパ節の位置が正確に指摘できる(赤矢印)。

CT検査(右列):CT検査では大きいリンパ節は筋肉の一部の様に見え、小さいリンパ節は転移と診断できる大きさでなかったことからリンパ節転移は指摘されていなかった。

症例4:50才代女性 左乳癌術後、左腋窩リンパ節腫脹、肝転移、多発骨転移

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●病歴
3年前に左乳癌にて手術。
左腋窩リンパ節の腫脹を指摘される。腫瘍マーカーの増加も認め左腋窩リンパ節への乳癌の転移、再発が考えられた。
左腋窩リンパ節以外の転移巣の有無について、全身の転移巣の検索目的で当院へ紹介、FDG-PET検査を施行。
左腋窩リンパ節転移以外に肝転移,多発骨転移がFDG-PET検査で検出された。

●画像所見
FDG-PET検査(左列および中央):左腋窩リンパ節転移、肝転移、多発骨転移を認める。
#1:左腋窩リンパ節に高度集積を認め転移リンパ節と考えられる。
#2:肝臓にも結節状の高度集積を認め肝転移の所見である。
胸骨や脊椎(頚椎、胸椎、腰椎、仙椎)、両側の肋骨、両側の骨盤骨と全身の多数の骨に高度集積を認め多発骨転移の所見である。

Fusion画像(PETとCTの重ね合わせ画像,右列):左腋窩リンパ節転移、肝転移。
#1:腫大したリンパ節に高度集積を認め転移リンパ節の所見である。
#2:CTのみでは不明瞭な肝転移の部位が明瞭に指摘できる。

●経過
化学療法にて治療。

化学療法後
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●病歴
症例4について化学療法後、転移巣の残存がないか確認のため当院へ紹介、FDG-PET検査を施行。
転移巣の残存が無いことがFDG-PET検査で確認された。

●画像所見
FDG-PET検査(化学療法前):左腋窩リンパ節転移、肝転移、多発骨転移を認める。

FDG-PET検査(化学療法後):転移巣に認めた高度集積は消失し、生理的集積のみ認める。

●経過
外来にて経過観察。


症例5:30才代女性 右肺癌、右肺門部リンパ節転移

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●病歴
検診にて胸部異常陰影を指摘され精査の結果、右肺癌と診断される。
全身の転移巣の検索目的で当院へ紹介、FDG-PET検査を施行。
CTでは指摘されていなかった右肺門部リンパ節転移がFDG-PET検査で検出され手術前の評価としてFDG-PET検査が有用であった(術前の肺癌病期分類 IA→IIAへ変更)。

●画像所見
FDG-PET検査(左列および右列3段目):右肺癌および右肺門部リンパ節転移を認める。
#1:右肺癌腫瘤に高度集積を認める。
#2:右肺門部に転移リンパ節を示唆する小結節状の中等度集積を認める。

CT検査(右列1,2段目):右肺癌および右肺門部リンパ節の横断像。
#1:右肺下葉に肺癌の結節状陰影を認める。腫瘍の辺縁にはスリガラス状陰影を伴う。
#2:CT検査では右肺門部リンパ節は小さく転移は指摘できない。

●経過
手術が施行された。