「健康寿命」という言葉は皆さんもお聞きになったことがあると思います。
　ただ長生きすればいいのではなく、自立した生活を送れる状態をどれだけ続けられるか、それが「健康寿命」と言われるものであり、この「健康寿命」をどうやって延ばすかが今後の超高齢化社会では重要な課題となってきます。
　自立した生活を送れなくなる、すなわち介護が必要となる原因疾患には脳血管疾患（脳卒中）、心臓病、認知症、運動器（関節、骨、筋肉）障害などが主なものとして挙げられます。このうち脳血管疾患、心臓病、一部の認知症は動脈硬化との関連が強く、偏食、運動不足、喫煙、ストレスなどの生活習慣の問題と密接な関係にある高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肥満などの生活習慣病と言われる病気により引き起こされます。
　従って、生活習慣を是正することによりこのような病気はある程度予防できる可能性があり、「健康寿命」を延ばすためにもこれら生活習慣病に対する知識や対応が患者さんだけでなく一般の方々そして社会にとっても大変重要なわけです。

　2016年8月13日に行われるハートの日にちなんだイベントは、このような目的で当院が毎年企画しているものです。心肺蘇生講習会、血管年齢測定、医療相談会、動脈硬化を早期に診断できる頚動脈エコー検査などの体験コーナーに加え、今年は心筋梗塞に関するビデオや詳細な解説、さらには循環器内科医師であり、かつ現京都府舞鶴市長でいらっしゃる多々見良三先生により「心臓病で死なないために」と題して地域医療情勢に関する話題も交えた特別講演を行っていただきます。
　心臓や血管の病気についての知識を深めることにより、今後の病気予防や治療、さらには健康寿命の延長に役立てていただければ幸いです。

心臓血管センター　金沢循環器病院
CEO　　名村　正伸