金沢循環器病院|循環器病|多汗症

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多汗症

■汗が多いと悩んでいる人はよく聞くのですが、発汗は体温を調節する大事な機構なので、人により発汗量に随分違いがあります

■気温が高くないのに緊張した時や思わぬ時に突然、大量に手掌・足底や顔面などに発汗し、日常生活や社交的に困惑する場合が治療の対象になります。

手掌多汗症

手掌や指先は細かい仕事をする時や精神を緊張させた時には、正常でも多少汗が出る所なのです。昔から「手に汗を握る」と言われていますし、汗が少ないときには「手につばする」と湿り気を与えるほどです。

■これが発作的に大量に出ると試験の答案が濡れて書きづらい、握手が出来ない、ピアノが滑ってうまく弾けないなど種々支障をきたし、子供心を傷つけたり、社会生活を引っ込みがちにします。

■これは本来ある交感神経の緊張が過敏になった結果だと考え、交感神経伝導をブロックして治療することが出来るようになりました。

症状

■多くの人は幼稚園に入る頃から廊下に足跡がつく、折り紙が汗で濡れて破れるなど比較的小さい頃から気付いています。

■には高校受験の頃とか社会人になってから激しくなる人もいますが、遅くても20歳頃までに認めています。

■程度:軽い人から激しく発汗する人まであります。私たちは写真1のように手掌を丸めて中央に汗が溜まり、それが掌の筋を伝い流れ落ちるような人を手術の対象にしています。

手術方法

■両脇の毛の生え際に1.5cmの切開を行い(図1)、そこから内視鏡を入れて脊椎の横にある第III・IV神経節を焼き切る胸腔鏡下交感神経遮断術という手術を行います。

■全身麻酔で両側同時に行います(写真2)。手術時間は30~40分くらいです。手術の日に入院して戴き、午後に手術します。翌日、胸部レントゲン撮影をして異常がなければ退院する1泊2日で行なっています。

■足底発汗はこの手術により減る人も30%位いますが、変化がない人が多いようです。

腋窩発汗

腋の下の発汗は服が濡れる、着物を着られないなど女性の多くの方から相談を受けます。

■しかし、腋は手掌と異なり二種類の汗腺がある、精神発汗と温熱発汗の両方により発汗するなどのため、手掌発汗ほど簡単ではないのです。

■手掌発汗と合併している人には精神発汗の要素が強いと考え手術しますが、腋窩だけの人は他の方法、止汗薬塗布、腋窩パットの使用、腋窩汗腺の手術などを勧めています。

顔面発汗・赤面症・あがり症

これらもすべて交感神経緊張が関係していると考えられています。

■日本では手掌多汗症と合併した例に行い良かったとの報告はあるのですが、未だ広く行なわれていません。

■悩んでいる人は検討してもよいと考えています。

手術後合併症

■代償性発汗:強制的に調節機構を破壊し、体の一部の汗を止めるため、他の部位から代わりに出る汗として名付けられました。

■この手術後には必ず多少の差はありますが、乳腺から下の腹、背中、臀部や大腿に認めます。人によりこれが激しく、術後はこの汗が気になって仕事が出来ないと悩む人がいます。
■飲水量を減らす、薄着をする、発汗部を圧迫するなどを行なってもらいます。多くの人は一夏を越すと馴れてきますが、湿気が多いとき、室温が30度を越えたときに突然多くなるようです。

■顔の汗が多い、男性、思春期以後に発汗が多くなった、太っている人などに多く見られます。手術前に発汗のため制限されている状態と術後の代償性発汗につき、手術する医師とよく相談し、最適の治療手段を考えて下さい。