先天性心疾患
先天性心疾患とは生まれつき心臓内部やその周辺の発生、形成異常のあるもののことをいい、だいたい1,000人の新生児あたり10人前後に生じるといわれています。この人たちすべてが治療を必要とするわけではなく、成長していくうち自然に治癒していくものも多く、学童期には約0.3~0.4%、成人期には0.2~0.3%の割合となります。
治療はそのほとんどが手術によるものとなります。
先天性心疾患には単純な形成異常から複雑なものまで様々な病態があります。以下に頻度の高い疾患について紹介します。
心房中隔欠損症 |
■心臓の4つの部屋のうち、右心房と左心房の間の壁を心房中隔といいます。この壁に欠損が認められるものを心房中隔欠損症といいます。先天性心疾患の約6~10%を占め、通常は左心房から右心房に血液が流れ込みます。小児期はほとんど無症状であり、検診などで発見されることがほとんどです。最近では幼児期に手術を行うことが多いですが、成人になってから発見されることもあり、そのため成人になってから手術となることも少なくありません。 |
心室中隔欠損症 |
■心臓の4つの部屋のうち、右心室と左心室の間の壁を心室中隔といいます。この壁に欠損が認められるものを心室中隔欠損症といいます。先天性心疾患の中で最も多く、約20%を占めます。症状はその欠損孔の大きさによって異なりますが、大きいものは出生後早期より心不全症状を認め、乳児期に手術となることがほとんどです。欠損孔の小さいものは自然閉鎖するものも多く、内服治療となりますが、成人となってから手術が必要となる場合もあります。手術は人工心肺下にパッチ閉鎖術が行われます。 |
動脈管開存症 |
■すべての生まれる前の赤ちゃん(胎生期)は、肺への血流を動脈管という血管でそのほとんどを保っています。出生後数時間~数日間でその動脈管は閉鎖してしまいますが、この動脈管が閉鎖しないで残ってしまうものを動脈管開存症といいます。先天性心疾患のうち10~15%を占めます。この血管が太いものは生後早期に肺高血圧症から心不全を引き起こし、新生児期、または乳児期に治療が必要となります。また、血管がそれほど太くない場合はそのまま経過観察されますが、成人となってから治療が必要となる場合もあります。 |
ファロー四徴症 |
■肺動脈狭窄、心室中隔欠損、大動脈騎乗、右心室肥大の4つの病変を伴った先天性心疾患であり、先天性心疾患の約10%近くを占めます。この疾患は生後まもなくよりチアノーゼという皮膚や粘膜が暗青色となる症状が認められます。これは心臓内で右心室から左心室に血液が流れるためで、血液中の酸素の濃度が低いためにみられるものです。チアノーゼの強いものは乳児期に肺の血流を増やす手術(Blalock-Taussig手術等)を行い、肺動脈の成長を待って、幼児期に根治手術を二期的に行うことになります。近年では一期的に根治手術を行うこともあります。また、チアノーゼが強くない場合、手術せずに様子観察することもあり、まれですが成人になってから手術する場合もあります。 |
その他の先天性心疾患 |
■先天性心疾患にはこの他に様々なものがあり、その多くは新生児期、幼児期に手術が必要となります。病気によっては2度、3度と手術をしなければなりません。 |
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