金沢循環器病院|循環器病|リンパ浮腫

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リンパ浮腫

 ■リンパ管は心臓から拍出された血液の1/10が組織間液として血管外に漏出した液を回収する脈管です。これが閉塞したり、生まれつき欠損している人にリンパ浮腫が生じます。

■先天性リンパ浮腫:生まれつきリンパ組織の発育が悪いため生じます。小児期、成人後に種々の症状が現れます。

■後天性リンパ浮腫:手術後に発生することが多く、とくに上肢は乳がん手術後、下肢は子宮・卵巣がんの手術後に放射線照射を合併した人に生じやすく、最近増加しています。

リンパ浮腫の症状

腫れ

■ゆっくりと皮膚、皮下にむくみが現れ一進一退しながら段々ひどくなります。

■腫れが急に出た時に下腿、大腿内側・後面に緊満感を来します。浮腫により変形性膝関節症が悪化します。

皮膚の変化

■最初は緊張して輝いています。指で圧迫すると凹む。時間が経つと段々固く、厚くなり、皮膚のしわが浅くなり消失します。

■圧迫で凹まなくなり最後には象の皮膚様になります。

炎症,蜂窩織炎

■虫さされ、草葉による擦り傷、水虫などにより下肢全体が急に発赤、熱感を持ちます。

■全身に高熱、悪寒を生じます。原因不明で季節の変わり目に発症することもあります。

リンパ浮腫の治療法(保存療法)

マッサージ

■自分自身あるいは専門技師などによりリンパ管の流れに沿いマッサージする。

■空気を出し入れして足先から中枢に向かい全周性に機械的に外側から圧迫する。

弾性靴下、弾性ホータイ

■外側からの圧迫により浮腫肢の皮下内圧を高めてリンパの還流を促す。

運動

■患肢を動かし筋肉に緊張と弛緩を繰り返し、このポンプ作用でリンパ流に拍動を与える。

■前項の圧迫装具、ホータイを付けて行う。

体位

■就寝時足を挙上位にする。手を少し高くする。

■日中腕を下げないようにする。

やせる

■リンパ浮腫肢には脂肪が沈着しやいため、前に述べた方法を総合的に行うと同時にやせる努力をする。

■私達はこれらの方法を習得するために、入院してもらった時に同時に食事の取り方も指導し、体重を減らしている。

リンパ浮腫の治療法(手術療法)

保存療法を組み合わせて行う複合減圧療法が主であるが、次に述べる手術療法を行うことによりリンパ浮腫の早期の解消、より正常に近づくことを目的に行います。

大網による誘導

■胃の下にある大網組織はリンパ組織に富むため、これを大腿に植え込んだり、上腕の太いところから前胸部に植え込んで新しいリンパ路の作製をねらいます。

リンパ管ー静脈吻合

■足の拡張したリンパ管を探し近くの静脈につなぎ、うっ滞したリンパ液を静脈を通し還流させます。

リンパ管再生療法

■リンパ管発生の元になる組織を増殖させ、リンパ路が傷害された部位に植え込み新しいリンパ系の流れを再生させます。

■現在研究が行われています。