金沢循環器病院|循環器病|下肢静脈瘤

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下肢静脈瘤

 妊娠を繰り返した婦人,立ち仕事を続けた人,足に力を入れる仕事をした人で静脈が膨れて浮き上がってくる状態です。

 下肢静脈瘤は症状がないが静脈が浮き出しているのが恥ずかしいという軽い例から、毎夜両足に痙攣が起きて苦しい、潰瘍が段々広がり治らないというものまで種々の症状があります。放っておいても命に関わることが少ないので治療が遅れがちになる人も多く、それぞれに合った治療を行う必要があります。

 治療後も足にあるすべての逆流が完全に無くなることが少ないので、3ヶ月程弾性靴下を履いて残った静脈瘤をつぶしてしまいます。少し根気がいる治療ですが、手術前症状がないと言っていた人でも「こんなに足が軽くなったのは数年ぶりだ」と喜んでくれます。

【静脈瘤が出やすい場所】 ●足の内側 ●膝裏の部分

下肢静脈瘤の症状

見た目が悪い

■拡張した静脈が足の内側や膝裏に蛇行し浮き上がっています.長く続くと皮膚が薄くなり盛り上がってくるようになります.痛みはありません。

■毛細静脈拡張:色の白い人で目立ちますが大腿などに局所的に細い静脈が網の目状、蜘蛛の巣状に見られます。赤みがかったものから青褐色まで種々の色を呈します。

毛細管状静脈拡張、蛇行

■静脈圧が細い静脈に選択的にかかるとその部の通常は見えない静脈が網の目状、蜘蛛の巣状に拡張、蛇行して青黒く目立ったようになります。

■大腿内側や外側の日の当たらないところで目立ち、この治療を希望する人もあります。

■普通は立位で一番圧がかかる足首や足の内側に出てきます。

足がだるい,むくむ

■酸素の少ない静脈血が逆流してふくらはぎの筋肉内に溜まるため立ち仕事の後や夕方になると足全体が重く、抜けるようにだるくなります。

■足首や膝の下は朝に比べ3cm以上も太くなることがあり靴がきつくなります。

痛み、けいれん

■筋肉内に溜まる血液量が多くなり、動脈血が流れにくくなると筋肉に酸素と栄養が不足し痛くなってきます。

■足踏みをしたり、ふくらはぎを揉んだり、屈曲運動をすると静脈血が流れていき動脈血が入ってくるので楽になりますが、一時的です。

■夕方や夜寝床に入ってからこれらの筋肉が繰り返し痙攣し、激しい痛みに悩まされることもあります。

血栓性静脈炎

■膨れた静脈瘤の中で停滞した血液が固まり血栓を作ることがあります。そこで炎症が起きるので皮膚は赤く膨れ、痛みが生じます。

■この血栓は静脈に沿い上下に延長し、筋状に赤く拡がることもあります。

色素沈着、潰瘍

■皮下に静脈瘤が長く存在しているとこの膨れて薄くなった静脈壁から血液が漏れたり、静脈炎による瘢痕で固くなり、茶褐色の色が着いてきます。

■長くなると黒ずんで皮膚が板状になってきます。下腿の下1/3から足首にかけ生じ段々拡がっていきます。

■最後にこの栄養が悪く薄くなった皮膚の中央に潰瘍を作ります。静脈圧がかかり続けるため治りにくく、感染を伴うと腱の間から汚い膿を分泌する潰瘍になります。

下肢静脈瘤の治療法

圧迫

■足の静脈に圧がかかるのを防ぐため表面から圧迫し、静脈圧を下げ、逆流やうっ血を防ぎます。

■弾性ストッキングの着用、弾性ホータイ・サポーターによる圧迫やマッサージが有効です。

■これらをきちんと行うと症状は良くなり、悪化を防げますが静脈瘤は治ることはありません。

硬化療法(注射療法)

■拡張している静脈瘤の中に薬物を注入し内腔をつぶしてしまう方法です。1回に3~4ヶ所まで行えます。

■注射後1時間は病院にいてもらいますがその後、自動車を運転して帰宅できます。翌日から仕事も可能です。

■この方法は簡単ですが、静脈の太さが3?以上ある場合は原因となる逆流を止めないと再発しやすいので、主に軽い人に行います。

手術療法

結紮術

■深部静脈と表在静脈の間の弁不全が生じている場所を1~1.5cm切開し、この交通している部分を結紮し逆流を止めます。

■最近は、表在静脈を1~3cm同時に切除し再発しないようにしています。
■軽症の場合は1肢で2~3ヶ所局所麻酔で行います。外来治療が可能です。

抜去術

■太い静脈瘤が長く蛇行している際は結紮術のみでは残った静脈瘤にまた血液が溜まり再発するので、静脈瘤になっている静脈を全長にわたり抜去します。

■静脈瘤の上方と下方の端に1~1.5cmの横切開を行い、この間の静脈を抜き去ります。

■下半身麻酔か全身麻酔で行いますので1泊してもらいます。

レーザー治療

■皮膚を切開することなく治療する体に優しい治療法です。静脈瘤の中に細いレーザーファイバーを通して静脈をレーザーで焼却し、ふさいでしまう方法です。ファイバーは細い注射針から挿入するため、皮膚を切ったり縫ったりすることはありません。

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■焼いてしまう静脈の周りに特別に調合した局所麻酔液を注入するため、痛みはあまり感じられず、また、皮膚や周りの組織にはほとんど影響を及ぼしません。焼却した静脈は血液が流れなくなり、数か月後にはそのまま固まってしまいます。

■治療は局所麻酔で行いますが、患者様の希望に合わせて、軽い全身麻酔を追加することもあります。治療後はすぐに歩くことも可能です。

■厚生労働省より、レーザー治療を行う医師はレーザー機器取扱いおよびレーザー治療の講習が義務付けられています。当院でこの治療を行う医師は同講習を受講しています。

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■全ての静脈瘤がこの方法により治療可能ではありません。患者様の状態により、従来の手術の適応となることもありますので、下肢静脈瘤でお困りの方は一度当院外来に相談来てください。