金沢循環器病院|循環器病と検査

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心臓の働き

■心臓は収縮と拡張を規則正しく行うことで、血液を全身に送り続けています。この血液によって全身の臓器は酸素や栄養分を受け取ることができるのです。

■心臓は規則正しく、休むことなく動き続けます。一回の収縮で約60ミリリットルの血液が送り出されます。1分間に60~80回、収縮します。通常、1分間に5リットルほどの血液を送り続けます。

■1日に心臓は約10万回、収縮と拡張をくり返しています。1年では約4000万回、一生には約40億回、約7000リットルの血液を送り続けています。私たちが生きているあいだ、心臓は休むことなく動き続けています。

心臓の構造

■心臓は4つの部屋を持っています。4つの部屋は右と左に分かれ、これらが交通することはありません。左右の部屋は、さらに心房と心室に分かれています。部屋の仕切る弁が各々の部屋についています。

■全身を回ってきた血液(静脈血)は右心房に戻ってきます。そして三尖弁を通り右心室を経て、肺動脈弁を通り肺動脈へ行きます。肺動脈は肺に通じています。肺で血液は酸素を取り込み、二酸化炭素を放出します。酸素を取り込んだ血液は鮮やかな赤色となります(動脈血)。

■動脈血は肺静脈を通り、左心房に入り僧帽弁を通り、左心室に入ります。左心室から全身に血液が送り出されます。左心室が収縮すると全身へ向けて強い力で血液が放出されます。この動脈血が全身に酸素や栄養を与えるのです。

心臓の血管

■心臓が自分自身を栄養するために血液を自分自身に送り込む血管があります。この動脈を冠状動脈(または冠動脈 coronary artery)といいます。

■冠動脈には右冠動脈と左冠動脈があり、左冠動脈は主幹部からさらに左前下行枝と左回旋枝とに分かれています。つまり冠動脈はおおまかに3本の成分からなっていることになります。上図は冠動脈の形を簡略化して示したものです。参考になさって下さい。
■図の赤い管の部分が大動脈の根元から分岐する冠動脈で、薄茶色の部分が心臓と考えて下さい。大動脈とは、ご存じのように、全身に血液を送る太い血管です。

刺激伝導系

■心臓は通常、毎分50拍から100拍程の頻度で規則正しく収縮を繰り返しています。
■心臓の中には電気の通り道があり、概して心房から左右両方の心室へ電気が流れることにより効率よく心臓としてのポンプ機能を果たしています。

■右心房の上方にある、電気の刺激が発生するところを洞結節といい、心房から心室へ電気を伝えるところを房室結節といいます。いわば発電所の役割をもつ洞結節から規則正しく電気の刺激が発生し、その刺激が心房を横切り、次にいわば変電所の役割をもつ房室結節を経て心室全体へ電気刺激が伝わり、心臓は非常に整った脈をうちます(洞調律)。

循環器病の検査

外来受診

■問診
 医師が患者さんにいろいろな質問を行います。
 症状・危険因子・既往歴などを参考に診断の予想をつけます。

■聴診
 聴診器で心臓の音や肺の音を聴取します。

 心臓の電気的な興奮を体表面で検出する検査です。心臓病の検査の最も基本的なものです。
心臓に異常があると心電図の波形が乱れ、心臓病の種類や重症度を判定できます。
安全かつ簡便なうえに情報量の多い検査です。

手足の血圧を測るだけで血管の硬さ(血管年齢)や下肢の閉塞性動脈硬化を調べることが出来ます。簡便で負担のかからない検査です。検査時間も15分程です。

 体表面より超音波を用いて心臓の部屋や弁の運動、心臓の中の血液の流れを評価する検査です。
異常をみつけるだけでなく、治療効果の判定にも有効です。
また超音波を用いますから、患者さんの侵襲はきわめて少ない検査です。

 心臓の血管に細い管(カテーテル)を入れて、詳しく調べる検査です。

 本年3月よりAquilion64 Super Heart Edition(東芝メディカル社製)が当院に導入されたました。このCT装置は、一度に64枚の断面を最短0.4秒で撮影することが可能です。また、一番薄い断面の厚さは0.5mmと世界で最薄となっております。
 このCTの導入で、患者様の心臓の動きに合わせて撮影を行うことにより一度呼吸を止めていただくだけで、心臓の冠動脈の造影CT撮影ができます。狭心症の診断をCT撮影で簡単に行うことが可能になりました。

 微量の放射線をだす薬を注射して、専用のカメラで撮影する検査です。病気の状態によって薬の取り込まれ方に差が出るのを利用して、血液がたりない心臓の筋肉の場所などを探すことができます。
 他にも心臓の動き具合や糖代謝、酸素代謝、脂肪酸代謝、交感神経の分布などを知ることができます。

循環器病について

循環器の病気とは

 循環器病の診断はまず患者さんの訴えを十分に聞くことから始まり、その上で必要な種々の検査を行います。当院ではX線CT 、MRI、PETなどの最新設備が整っており、これまではよくわからなかった病態も明らかにできるようになってきています。

 また必要に応じ心臓カテーテル検査なども行い、これらの情報を参考にして薬物療法から最先端のカテーテル治療(PCIなど)まで最も適した治療を考えます。

 近年我が国においても問題になっている虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)は、冠動脈が狭くなったり塞がったりして、心臓に送られる血液(栄養分や酸素などが含まれている)が不足することが原因で起こります。

 冠動脈の狭窄や閉塞は、動脈硬化や、血栓(血液が固まったもの)が血管につまることが主な原因です。一部には冠動脈が一種のケイレンのような異常収縮を起こすことが原因の場合もあります。

 当院を受診される患者さんの病気で最も多いのが、この虚血性心疾患です。

 脈がとんだり、突然早くなったり、とても少なかったり、また脈の間隔がばらばらであったり、いわゆる不整脈を呈する人がいます。健康を自負してきた人でも、寝不足やストレス、たばこの吸いすぎ、不規則な生活などにより不整脈がでてくることもあります。

 脈がとぶ・突然ドキンと強い脈を感じる・ドキドキドキドキ・・・と長く動悸が続く・突然脈が早くなる・少し動いただけですぐ息があがる・突然気が遠くなる、等々の症状のある方は適切な検査、的確な診断のうえ迅速な治療をうけることが必要です。

 心臓には図のように大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖弁の4つの弁があり、それぞれが開閉することにより心臓のポンプ機能が可能となっています。心臓弁膜症とはこの4つの弁のいずれかもしくは複数の弁が開きにくくなったり(狭窄症)、閉まり方が悪くなったり(閉鎖不全症)する病気です。必ずしもひとつの弁だけが障害を受けるとは限らず複数の弁が障害を受ける場合も多く、また狭窄症と閉鎖不全症が合併する場合も多く見られます。

 弁の働きが悪くなると、結果として心臓のポンプ機能が悪くなり不整脈や心不全を引き起こしたりなかには血栓塞栓症を引き起こしたりするようになります。

 弁膜症の原因には幼少児にかかったリウマチ熱の後遺症、加齢、先天的な原因などが考えられます。

 先天性心疾患とは生まれつき心臓内部やその周辺の発生、形成異常のあるもののことをいい、だいたい1,000人の新生児あたり10人前後に生じるといわれています。この人たちすべてが治療を必要とするわけではなく、成長していくうち自然に治癒していくものも多く、学童期には約0.3~0.4%、成人期には0.2~0.3%の割合となります。

 治療はそのほとんどが手術によるものとなります。先天性心疾患には単純な形成異常から複雑なものまで様々な病態があります。

 大動脈は心臓から全身に血液を送るための動脈の中心となる血管です。その大動脈が様々な原因で"コブ"ができるように太くなってしまうものを大動脈瘤といいます(正確には正常径の1.5倍以上のものを言います)

 大動脈瘤はできた場所により胸部と腹部に分けられます。また、その病態によって真性、解離性に区分けされます。

 閉塞性の末梢動脈疾患とは、動脈硬化によって動脈内腔が狭くなったり、あるいは詰まったりして循環障害を起こす病気です。年齢と共に増えていき、70歳以上の人は15-20%がこの病気にかかっていると思われます。

 この病気は特に喫煙習慣のある人、糖尿病の患者に多くみられます。また、高血圧、高コレステロール血症、肥満、運動不足などもこの病気を悪化させる要因となります

 妊娠を繰り返した婦人,立ち仕事を続けた人,足に力を入れる仕事をした人で静脈が膨れて浮き上がってくる状態です。

 下肢静脈瘤は症状がないが静脈が浮き出しているのが恥ずかしいという軽い例から、毎夜両足に痙攣が起きて苦しい、潰瘍が段々広がり治らないというものまで種々の症状があります。放っておいても命に関わることが少ないので治療が遅れがちになる人も多く、それぞれに合った治療を行う必要があります。

 治療後も足にあるすべての逆流が完全に無くなることが少ないので、3ヶ月程弾性靴下を履いて残った静脈瘤をつぶしてしまいます。少し根気がいる治療ですが、手術前症状がないと言っていた人でも「こんなに足が軽くなったのは数年ぶりだ」と喜んでくれます。

 リンパ管は心臓から拍出された血液の1/10が組織間液として血管外に漏出した液を回収する脈管です。これが閉塞したり、生まれつき欠損している人にリンパ浮腫が生じます。

 先天性リンパ浮腫:生まれつきリンパ組織の発育が悪いため生じます。小児期、成人後に種々の症状が現れます。

 後天性リンパ浮腫:手術後に発生することが多く、とくに上肢は乳がん手術後、下肢は子宮・卵巣がんの手術後に放射線照射を合併した人に生じやすく、最近増加しています。

 汗が多いと悩んでいる人はよく聞くのですが、発汗は体温を調節する大事な機構なので、人により発汗量に随分違いがあります

 気温が高くないのに緊張した時や思わぬ時に突然、大量に手掌・足底や顔面などに発汗し、日常生活や社交的に困惑する場合が治療の対象になります。