金沢循環器病院|循環器病|不整脈

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不整脈

 

 脈がとんだり、突然早くなったり、とても少なかったり、また脈の間隔がばらばらであったり、いわゆる不整脈を呈する人がいます。健康を自負してきた人でも、寝不足やストレス、たばこの吸いすぎ、不規則な生活などにより不整脈がでてくることもあります。

 脈がとぶ・突然ドキンと強い脈を感じる・ドキドキドキドキ・・・と長く動悸が続く・突然脈が早くなる・少し動いただけですぐ息があがる・突然気が遠くなる、等々の症状のある方は適切な検査、的確な診断のうえ迅速な治療をうけることが必要です。

いろいろな不整脈

正常洞調律

■心臓は1分間に50拍から100拍くらいの間で規則正しく脈をうっています。




※枠内にマウス(矢印)をいれるとアニメーションでみることができます(以下全部同じです)

期外収縮

■規則正しい整った脈の間に、一拍から数拍だけ違った間隔で脈をうつことがあります。これを期外収縮といい、心房に原因がある場合を上室性期外収縮、心室に原因がある場合を心室性期外収縮といいます。
■一瞬、ドキンと脈を強く感じます。症状、頻度が著しくなければ治療の必要はありません。

洞機能不全症候群・房室ブロック

■洞結節の機能が低下もしくは廃絶した状態を洞機能不全症候群といいます。洞機能不全症候群になると脈が遅くなり全身、特に脳への血流が減少して全身倦怠感(からだがだるい)、易疲労感(疲れやすい)、眼前暗黒感、意識消失などの重篤な症状があらわれます。
■房室結節での電気の伝導が障害された状態を房室ブロックといいます。房室結節内での電気の伝わり方が遅い程度(1度の房室ブロック)であれば症状はありませんが、房室結節内を全く電気が伝わらない状態(3度の房室ブロック)に陥ると脈が遅くなり、全身倦怠感や息切れ、眼前暗黒感、意識消失などの症状があらわれます。

■洞機能不全症候群・高度の房室ブロックではぺ-スメ-カ-の植え込みが必要になることがあります。

心房細動

■左右の心房のいたるところに無秩序に電気が発生し、心房全体が細かく震えるようになってしまった状態を心房細動といいます。心房細動におちいると、脈は非常に不規則になります。少し動いただけなのに息切れや動悸を強く感じたり、逆に安静にしている時には脈が大変少なかったりします。

■治療は心房細動の予防、脈拍数のコントロ-ル、血栓症の予防を目的とした内服治療や電気ショックなど、ひとりひとりの状態に適した方法を選択します。

心房粗動

■上述した心房細動と似た名前の不整脈に心房粗動という不整脈があります。心房粗動は右心房の中を電気が回旋することでおこります(右心房の中を電気がグルグルと回り続ける状態)。突然胸が苦しくなる程に脈が早くなったり、不規則な脈をうったり、また時に規則的な脈をうったりと症状は多彩です。

■心房粗動にはカテ-テル心筋焼灼術による治療が有効です。

発作性上室性頻拍症

■発作性上室性頻拍症は、心臓だけがあたかも走った直後の様に、突然早くうつようになる不整脈です。原因は正常な電気伝導路の他に余計な伝導路がある為で、それらふたつの伝導系の間を電気が回旋して発作をおこします。
■余計な伝導路が房室結節の中にある場合、房室結節回帰性頻拍症とよび、心房と心室の境にある場合をWPW症候群とよびます。

■内服薬による治療のほか、異常な伝導路の部位によってはカテ-テル心筋焼灼術による発作の根治が期待できます。

心室性頻拍症

■心室の中に、電気を異常に発生する部位や余計な伝導路がある為におこる頻拍(脈がとても早い状態)を心室性頻拍症といいます。心室性頻拍症では動悸や息切れはもちろん、そのまま気を失うこともあり危険な不整脈のひとつです。

■専門医による早急、適切な治療が必要です。

心臓電気生理検査

■心臓の中には電気の通り道があり、概して右心房から左右両方の心室へ電気が流れることにより心臓は非常に整った脈をうちます(洞調律)。
■ところが、脈がとんだり、突然早くなったり、とても少なかったり、また脈の間隔がばらばらであったり、いわゆる不整脈を呈する人がいます。不整脈の起こる頻度や症状の強さ、不整脈の種類によっては適切な治療を受けなければいけません。
■不整脈の原因をつきとめ、適切な治療法を選ぶ為には通常の心電図検査だけでは不十分で、より詳細な情報が重要となる場合があります。そこで、心臓の中の電気の流れ方を精密に調べる心臓電気生理検査(いわば、心臓の中の心電図検査)が必要になります。

■心臓電気生理検査は、足の付け根から、直径2mm程の電極カテ-テル(下写真)と呼ばれる特殊な柔らかい電線を挿入して行います。
■挿入に際して行う局所麻酔は、歯を抜く時に行う麻酔と同じもので一時的に局所の感覚を麻痺させます。また、全身麻酔ではないので検査中も充分に話しができます。局所麻酔の後、レントゲンを見ながら2本から3本の電極カテ-テルを順次、心臓の中の要所要所に入れていき、心臓へ電気刺激を送ったり、電気の流れを測定したりしながら精査をすすめていきます。この時には不整脈と同じ様な動悸を感じます。

■検査の所要時間は概ね2時間程で、検査終了後は更に約2時間程、足を曲げずにベッドの上での安静が必要です

カテーテル心筋焼灼術

カテ-テル心筋焼灼術

■高周波カテ-テル心筋焼灼術とは、カテ-テルと呼ばれる特殊な電線を使って不整脈の原因となる異常な個所を焼灼する治療方法です。いわば病的な個所にお灸をすえる治療です。お灸をすえることで異常な個所だけ病的な機能を失い不整脈は根治されます。

■カテ-テル心筋焼灼術の適応となるのは、心房粗動や発作性上室性頻拍症、そして心室性頻拍症の一部です。

カテーテル心筋焼灼術の方法

■心臓電気生理検査とほぼ同じ方法で行われます。足の付け根(鼠径部)の局所麻酔によりカテ-テルを3本から4本挿入します。全身麻酔ではないので治療中も充分に話しができます。

■心臓の中の要所要所に導かれたカテ-テルを用いて、心臓へ電気刺激を送ったり、電気の流れを測定したりしながら病的な個所をつきとめていきます。この時には不整脈と同じ様な動悸を感じます。

■病的な個所がつきとめられれば、焼灼にうつります。焼灼に際しては、お灸をすえるに伴い胸痛や肩の痛みを感じます。一回の焼灼は1分から1分半ですが、根治が確認されるまでは焼灼が何回も必要になる場合があります。痛みに関しては痛み止めの注射を適宜おこないます。

■治療に要する時間は概ね2時間から4時間ですが、治療終了後から翌日朝まではベッドの上での安静が必要です。