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当院について

診療実績

クリニカルインディケーター

クリニカルインディケーターとは、医療の質を定量的に評価する指標のことで、医療の過程や結果から課題や改善点を見つけ出し、医療の質の向上を目的とするものです。
Ⅰ 病院全体の指標
Ⅱ 予防と安全にかかわる指標
Ⅲ 診療プロセスとアウトカムにかかわる指標
Ⅳ 診療実績
Ⅰ 病院全体の指標
1 紹介率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
37.3% 36.3% 37.8% 36.1% 36.7% 36.4% 36.5%

項目

紹介率とは、初診患者さまのうち、他の医療機関から紹介されて来院した患者さまの割合です

定義・計算式

紹介患者数/初診患者数

コメント

循環器専門病院として、他の医療機関と連携し紹介患者さまの診察にあたっています。地域医療相談室による訪問活動も積極的におこなっています。

2 逆紹介率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
62.9% 61.9% 63.4% 64.2% 68.6% 72.7% 65.9%

項目

逆紹介率とは、初診患者さまのうち、他の医療機関へ紹介した患者さまの割合です。

定義・計算式

逆紹介患者数/初診患者数

コメント

当院が、地域の他医療機関と連携している度合いを示す一つの指標となります。地域のかかりつけ医の先生方との連携も、患者さまの普段の健康管理をお願いするにあたりとても重要なことです。

3 病床利用率(一般病床)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
76.5% 83.7% 80.9% 80.7% 78.5% 85.4% 72.7%

項目

当院の一般病床がどの程度、効率的に稼動しているかを示す指標です。

定義・計算式

入院延べ患者数/病床数×年間入院診療実日数

コメント

急性期の専門的な治療だけではなく、在宅復帰に向けた医療や支援を行うための病床である「地域包括ケア病床」など、患者さまのニーズに合わせた医療を行いつつ入退院を管理することで病床利用率を高めていきます。

4 病床利用率(療養病床)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
97.5% 91.6% 95.3% 93.3% 95.3% 96.3% 91.8%

項目

当院の療養病床がどの程度、効率的に稼動しているかを示す指標です。

定義・計算式

入院延べ患者数/病床数×年間入院診療実日数

コメント

長期にわたり療養の必要な患者さまが入院する病床です。急性期の病床と医療療養病床を併せ持つ当院のような病院においては、両病床の病床利用率は大きく異なります。

5 平均在院日数(一般病床)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
9.4 10.7 10.2 10.7 12.2 12.7 12.0

項目

一般病床に入院された、一人ひとりの患者さまが何日間入院しているかを示す指標です。

定義・計算式

年(月)間在院患者延べ数/【1/2×〔年(月)間新入院患者数+年(月)間退院患者数〕】

コメント

安全かつより快適な入院・治療生活をお過ごし頂けるよう、そして安心して退院後の生活を送って頂けるよう、職員全員で取り組んでいます。

6 平均在院日数(療養病床)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
662.4 557.4 515.4 521.1 511.3 520.5 720.5

項目

療養病床に入院された、一人ひとりの患者さまが何日間入院しているかを示す指標です。

定義・計算式

年(月)間在院患者延べ数/【1/2×〔年(月)間新入院患者数+年(月)間退院患者数〕】

コメント

長期にわたり療養の必要な患者さまが入院する病床です。当院では全国的に増加しつつある心不全患者さま、人工透析が必要な患者さまへの対応も可能です。心不全治療については医師と看護師を中心とした多職種チームとして取り組み心臓リハビリなども充実しております。

7 外来入院患者比率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
88.7% 93.6% 99.4% 104.8% 99.0% 97.5% 105.0%

項目

一日あたりの外来患者数と入院患者数に対する割合を示す指標です。

定義・計算式

一日平均外来患者数/一日平均入院患者数(在院患者数)

コメント

外来患者数が増加していることから、外来入院患者比率も上昇傾向を辿っています。

8 外来患者数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
40340 42313 45477 47086 44839 46039 45067

項目

当院の外来に受診された患者さまの延べ数です。

定義・計算式

外来患者延べ数

コメント

当院では、講演・イベントを通じた心血管疾患に関する啓発活動、アクセス向上、ニーズに即した外来診療の機動的な見直しを図っており、外来患者数は増加傾向にあります。

9 入院患者数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
59057 59092 59601 58945 58832 61313 55797

項目

当院に入院された患者さまの延べ数です。

定義・計算式

入院患者延べ数

コメント

高度な循環器専門医療から高齢者慢性期医療にいたるまで「患者さま」に寄り添った医療を提供しております。退院後のフォローにも適切に対応しております。また、医師と看護師を中心とした多職種チームによる心不全治療・緩和ケアについても積極的に取り組んでいます。

10 救急患者率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
73.8% 76.5% 76.6% 77.6% 80.0% 81.8% 75.7%

項目

当院は二次救急医療機関の指定を受けており365日24時間の受入体制を整えております。救急車の搬入状況から入院に至った件数を把握しております。

定義・計算式

救急車で来院し入院となった件数/救急車の搬入件数

コメント

循環器疾患は迅速な診断治療が重要であり、わずかな時間でも無駄にできません。循環器専門病院である当院では、救命救急医療が最重点課題のひとつです。受け入れ体制を整え、お断り件数0件を目標に救急医療に力を注いでいます。

Ⅱ 予防と安全にかかわる指標
1 入院患者の転倒・転落による損傷発生率(レベル3a以上) (‰)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.6770‰ 0.1690‰ 0.3355‰ 0.3392‰ 0.2209‰ 0.0489‰ 0.1971‰

※2018年度より転倒転落による発生率は、‰(パーミル)表示としております

項目

転倒・転落事例は、当院のインシデント及びアクシデント事例の報告等に関するガイドラインに基づき、全て報告され把握しています。

定義・計算式

報告のうちレベル3a以上の件数/入院延べ患者数×1000

コメント

当院では、毎月の集計を医療安全管理委員会で報告し、情報を共有するシステムとなっています。転倒予防のため転倒センサー設置などの対策を全病棟で実施、その効果を評価しています。

当院のインシデント・アクシデント事故レベル

インシデント
レベル
レベル0 問題が発生したが患者には実施されなかった場合
レベル1 患者へ実害がなかったが、何らかの影響を与えた可能性がある場合
レベル2 患者への観察の強化とバイタルサインに変化が生じた場合
レベル3a 簡単な処置や治療(消毒、湿布、皮膚の縫合、鎮痛剤の投与等)が生じた場合
アクシデント
レベル
レベル3b 濃厚な処置や治療(バイタルサイン高度変化、人工呼吸器の装着、手術、骨折、入院延長等)が生じた場合
レベル4a 永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない場合
レベル4b 永続的な障害や後遺症が残り、有意な障害や美容上の問題を伴う場合
レベル5 事故が死因となった場合

(心臓血管センター金沢循環器病院 安全管理委員会規定による)

2 インシデント・アクシデントレベル別報告件数
  2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
レベル0 43 78 251 272 181 200 105
レベル1 368 471 433 470 465 481 282
レベル2 19 21 19 8 18 18 67
レベル3a 71 97 70 89 90 98 52
レベル3b 2 3 1 2 3 10 2
レベル4a 0 0 0 0 0 0 0
レベル4b 0 0 0 0 0 0 0
レベル5 0 0 0 0 0 0 0
合計 503 670 774 841 757 807 508

2022年度報告件数

年度別報告件数

コメント

事故を未然に防ぐため「かもしれ報告」(危険だったかもしれない)も含めた情報共有に努めています。

3 インシデント・アクシデント表題別報告件数
表題(項目) 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
与薬(注射・輸液) 43 73 83 64 65 65 42
与薬(内服・外用) 79 102 134 139 148 130 86
ラインチューブトラブル 70 88 100 87 106 116 99
皮膚損傷 56 70 25 37 45 33 22
転倒・転落 77 106 133 112 131 127 83
経管栄養 17 14 26 21 9 11 7
検査 70 67 74 166 94 72 39
連絡・コミュニケーション 15 19 23 15 12 9 3
指示情報 12 14 14 9 7 3 2
処置・治療 43 48 66 74 53 70 15
手術 0 11 19 26 20 42 3
患者誤認
(2017年度より追加)
- 34 44 54 31 30 21
その他 21 24 33 37 36 99 86
合計 503 670 774 841 757 807 508

2022年度報告件数

年度別報告件数

コメント

上位は、ラインチューブトラブル、内服、転倒・転落の報告でした。

4 インシデント・アクシデント部署別報告件数

2017年度分より 放射線部にPET、リハビリに心リハをまとめ、看護部も一部まとめてあります。

報告部署 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
HCU 59 113 109 81 44 44 49
4F病棟 88 106 98 95 81 66 65
6F病棟 47 72 76 115 139 108 60
7F病棟 129 150 128 154 203 216 134
8F病棟 71 86 72 51 62 103 38
外来 14 15 13 23 18 12 4
中材・カテ室・手術室 4 - - - - - -
検査部 10 18 44 103 30 14 19
薬剤部 11 24 75 46 48 28 29
放射線部 27 25 24 33 45 15 11
PET室 0 - - - - - -
リハビリテーション部 2 6 8 4 4 9 4
心臓リハビリテーション室 0 - - - - - -
栄養部 10 5 23 21 7 11 7
臨床工学部 28 41 95 97 67 120 24
医師 2 4 4 3 1 0 1
その他(事務部等) 1 5 5 15 8 61 63
合計 503 670 774 841 757 807 508

2022年度報告件数

年度別報告件数

コメント

事故を未然に防ぐため「かもしれ報告」(=レベル0)を含めた情報の共有に努めていますが、部署によっては報告件数が減少しました。

5 手術部位感染(SSI)発生率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.00% 1.16% 0.00% 1.00% 0.42% - -

項目

全手術件数(デバイス植え込み含む)に対するSSIの発生率です。

定義・計算式

SSI定義による該当件数/手術件数
手術操作が及んだ部位に発生する感染を定義とします。

コメント

高齢者が増加することによりハイリスク症例も増加する中、引き続き、外科医とICN(感染管理看護師)を中心にSSI対策に取り組んでいきます。

6 褥瘡推定発生率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.58% 0.52% 0.51% 0.61% 0.64% 1.01% -

項目

月1回開催される褥瘡対策委員会にて、全病棟の褥瘡発生者を報告、集計しています。

定義・計算式

褥瘡保有者(持ち込み除く)/入院患者数(ある一日)

コメント

褥瘡発生者は、毎月1回の委員会で把握しています。発生した褥瘡に対しては、皮膚・排泄ケア認定看護師がタイムリーに各病棟の褥瘡対策委員などのコンサルテーションに応じ、早期治癒に向けて適切な処置を検討、実施しています。

Ⅲ 診療プロセスとアウトカムにかかわる指標
1 心大血管手術後30日以内死亡率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.9% 4.0% 0.0% 1.4% 3.2% 3.2% 4.9%

項目

心大血管手術件数に対する術後30日以内の死亡率です。

定義・計算式

術後30日以内での死亡件数/心大血管手術件数 心大血管手術とは虚血性心疾患、弁膜症、胸部大血管、その他心疾患・開心術、先天性心疾患に対する手術としています。

コメント

心大血管手術は、緊急、準緊急手術の割合が高く、また持病があったり高齢患者さまも多くいらっしゃいます。このため、周術期の死亡率を低下させることは困難とされています。緊急手術は時間との戦いであり、そのため当院ではいかに早く手術が開始できるかを常に念頭においています。ハイブリッド手術室も活用しながら、私たちはさらなる治療法の進歩を目指しております。

2 心大血管手術入院死亡率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.9% 4.9% 0.8% 2.1% 5.7% 3.7% 6.5%

項目

心大血管手術件数に対する退院前の死亡率です。

定義・計算式

退院前の院内死亡件数/心大血管手術件数 心大血管手術とは虚血性心疾患、弁膜症、胸部大血管、その他心疾患・開心術、先天性心疾患に対する手術としています。

コメント

心大血管手術を受けられる患者さまは、慢性透析が必要な腎臓病や糖尿病、脳梗塞の既往等といった他に重大な病気を合併していることが多く、また術後の活動性の低下によりなかなか元の生活に戻れないことも多々ありました。当院では術後翌日からの離床や、リハビリの早期開始あるいは血液浄化センターとの協力により患者さまの活動性の維持、術後合併症の防止に努めており、非常に低い数字を維持しています。

3 心大血管手術後72時間以内の再手術率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.0% 2.5% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

項目

心大血管手術件数に対する術後72時間以内の再手術率です。

定義・計算式

手術終了時間から72時間以内に実施した予期せぬ手術件数 心大血管手術とは虚血性心疾患、弁膜症、胸部大血管、その他心疾患・開心術、先天性心疾患に対する手術としています。

コメント

心大血管手術を受けられる患者さまは、以前より心血管系の治療を受けておられる患者さまが多く、そのほとんどが抗凝固剤という血液を固まりにくくする薬を内服されています。そのため手術中は血液が止まりにくい状況での手術となり、術後しばらくして出血が増大してくることがあります。出血量の増大は患者さまへの負担もかかるため、そのような場合には再手術を行い止血する必要がありますが、この5年間は連続して再手術率は0%でした。

4 心大血管手術退院後2週間以内の再入院率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%

項目

心大血管手術件数に対する退院後2週間以内の再入院率です。

定義・計算式

同一疾患で退院後、2週間以内に予期せぬ再入院をした件数/心大血管手術件数 心大血管手術とは虚血性心疾患、弁膜症、胸部大血管、その他心疾患・開心術、先天性心疾患に対する手術としています。

コメント

当院では、術後患者さまが安定した状態ですぐに日常生活に戻れ、元の生活が送れる自信がついた状況となった時点で退院していただいています。そのため退院後すぐ調子が悪くなって再入院されることはほとんどありません。確実な手術、確実な創治癒に心がけています。このため、退院後2週間以内の再入院率は0%が続いています。術後の心臓機能は術前より改善しており、元の生活よりワンランク上の生活が可能となります。

5 退院後6週間以内の救急医療入院率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
1.2% 1.0% 0.8% 1.6% 0.9% 1.4% 1.2%

項目

退院した方のうち、退院後6週間以内に救急医療で入院した方の比率です。

定義・計算式

退院後6週間以内の救急医療患者数/退院患者数

コメント

当院を退院した患者さまのうち、6週間以内に重篤な状態のために予期せぬ再入院となった患者さまの割合です。この指標が高いケースではいちがいには言えませんが、治療や回復が不十分だったのではないかという見方もできるので検証が必要です。救急患者を多く受け入れている病院では高い数値になる傾向がありますが、この救急医療入院率は低いほうが望ましいことになります。

6 AMI入院死亡率(%) (重症度別) A
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.0% 0.0% 0.2% 0.0% 3.4% 0.0% 1.8%

項目

急性心筋梗塞(AMI)で入院した患者さまで、心肺補助を必要としなかった場合の入院中の死亡率です。

定義・計算式

対象:急性心筋梗塞(AMI)の診断で入院した患者、入院死亡ー退院前の院内での死亡、重症度A-大動脈バルーンパンピング法および経皮的心肺補助法(-)

コメント

症例の高齢化により積極的な治療を行えない症例も増加してきており、死亡率ゼロは達成できませんでした。

7 AMI入院死亡率(%) (重症度別) B
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.0% 0.04% 0.05% 0.02% 10.3% 5.0% 3.6%

項目

心肺補助を必要とした重症急性心筋梗塞の場合の入院中の死亡率です。

定義・計算式

対象:急性心筋梗塞(AMI)の診断で入院した患者、入院死亡ー退院前の院内での死亡、重症度B-大動脈バルーンパンピング法および経皮的心肺補助法(+)

コメント

近年は重症例が多くかつ症例が高齢したことにより、死亡率ゼロは達成できませんでした。

8 AMI DTB Time〈90min率〉
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
98.0% 93.5% 97.7% 92.0% 93.0% 65.0% 60.0%

項目

急性心筋梗塞(AMI)の診断で入院した患者さまのうち、入院から再灌流での時間が90分以内であった比率です。

定義・計算式

急性心筋梗塞(AMI)の診断で入院した患者のうち、入院から再灌流までの時間が90分以内を達成した症例数/AMIの診断で入院した患者の症例数

コメント

急性心筋梗塞に対する再灌流治療を早期に行うことは、生命予後の改善に重要です。病院到着(door)からカテーテルによる再灌流治療(balloon)を行うまでの時間は、door-to-balloon Time(DTB)として、その施設での急性心筋梗塞治療の質を表す指標として重要視されています。このDTBTimeが90分以内であれば、質の高い治療を行っていると評価されます。当院では、AMIの診断がつけば速やかに心臓カテーテル検査を行い、ステント治療を中心とした再灌流治療を施行しています。DTBを規定する要因としては、医師の診断能力および治療技術だけではなく、救急外来での速やかな処置も重要で、放射線技師や臨床工学士あるいは、看護師等の能力など多岐にわたる因子が関与しています。

9 急性心筋梗塞等再灌流成功率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 98.0%

項目

急性心筋梗塞患者(AMI)の患者さまと不安定狭心症(UAP)の患者さまに対する再灌流成功率です。

定義・計算式

再灌流成功症例数/AMI+UAPの症例数

コメント

ここ数年は連続して、PCIによる再灌流成功率は100%に近い数値を達成しています。

10 AMI 再灌流成功例院内死亡率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.0% 0.04% 0.07% 0.02% 8.0% 5.0% 3.6%

項目

急性心筋梗塞(AMI)の診断で入院し、再灌流に成功した患者さまの退院前の院内での死亡率です。

定義・計算式

急性心筋梗塞(AMI)の診断で入院し、再灌流に成功した退院前の院内での死亡症例数/AMIの診断で入院し再灌流に成功した症例数

コメント

近年は重症例が多くかつ症例が高齢したことにより、死亡率ゼロは達成できませんでした。

11 待機的PCI後24時間以内死亡率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.6%

項目

待機的PCI(経皮的冠動脈インターベンション=カテーテル治療)施行患者さまの24時間以内死亡率です。

定義・計算式

24時間以内に死亡した症例数/待機的PCI施行患者症例数

コメント

待機的なPCIでも元々重症の患者さまでは、急変する可能性もあります。ここ数年は連続して、24時間以内の死亡率は0%近くを達成しています。

12 PCI後AST(急性ステント血栓症)発生率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.0% 0.002% 0.0% 0.0% 0.2% 0.0% 0.0%

項目

PCI後24時間以内の急性ステント血栓症発生率です。

定義・計算式

PCI後24時間以内に急性ステント血栓症を発生した症例数/年間PCI症例数

コメント

PCIにより冠動脈ステントを留置した後、ステント内に血栓が発生し急性閉塞を生じることがあります。抗血小板療法や、ステントの十分な開大により近年は24時間以内にステント血栓症が発生することは極めてまれになりました。

13 PCI後SAT(亜急性ステント血栓症)発生率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.2% 0.002% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.2%

項目

PCI後30日以内のステント血栓症発生率です。

定義・計算式

PCI後30日以内にステント血栓症を発生した症例数/年間PCI症例数

コメント

ステント留置後1ケ月以内に発生するステント血栓症も極めてまれとなっています。

14 PCI後LST(晩期ステント血栓症)発生率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.0% 0.0% 0.0% 0.002% 0.0% 0.0% 0.5%

項目

PCI後31日~365日以内のステント血栓症発生率です。

定義・計算式

PCI後31日~365日以内にステント血栓症を発生した症例数/年間PCI症例数

コメント

ステント留置後1ケ月以上経過して生じる晩期ステント血栓症も極めてまれとなっています。

15 PCI後VLST(超晩期ステント血栓症)発生率
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
0.0% 0.002% 0.002% 0.0% 0.9% 0.0% 0.5%

項目

PCI後1年以降のステント血栓症発生率です。

定義・計算式

PCI後1年以降にステント血栓症を発生した症例数/年間PCI症例数

コメント

ステント留置後1年以上経過して生じる超晩期ステント血栓症も極めてまれとなっています。

Ⅳ 診療実績
1 緊急PCI総件数(患者単位)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
72 64 60 70 100 124 97

項目

急性心筋梗塞や不安定狭心症など緊急でカテーテル治療を行った件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

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2020年度以降これまでと比較して緊急治療を要する症例が多く認められました。

2 待機的PCI総件数(患者単位)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
403 403 410 408 323 338 310

項目

狭心症や心筋梗塞など緊急でなく待機的にカテーテル治療を行った件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

近年は件数が減少傾向にあります。これは、十分な内科的治療が行われ、かつ医学的な判断のもと適切な治療をこころがけている結果と考えられます。

3 末梢血管インターベンション件数(患者単位)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
126 137 270 298 250 219 14

項目

下肢動脈、頚動脈、腎動脈など末梢血管に対するカテーテル治療の件数です。(2022よりDCB除く)

定義・計算式

年間の実施件数 計算方法を変更

4 経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)(件)
2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
6 33 36 72 73

項目

大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

当院では2018年より、大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療(TAVI)を行っています。

5 ペースメーカー植え込み件数(新規)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
37 37 24 42 44 50 63

項目

徐脈性不整脈に対する新規のペースメーカー植え込みの件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

6 ICD植え込み件数(新規)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
4 6 7 4 8 3 4

項目

致死的頻脈性不整脈に対するICD(植え込み型除細動器)植え込みの件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

7 カテーテルアブレーション件数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
109 107 102 88 67 70 69

項目

頻脈性不整脈に対するカテーテル治療の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

8 心臓再同期療法(CRT)および両室ペーシング機能付き植え込み型除細動器(CRT-D)件数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
10 8 9 6 11 9 4

項目

心不全に対するペースメーカーによる心臓再同期療法の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

9 冠動脈造影検査件数(PCIは含めない)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
960 946 814 754 599 614 526

項目

診断を目的とした冠動脈カテーテル検査件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

CT検査による冠動脈評価が可能となり、ここ数年は減少傾向にあります。

10 経胸壁心エコー件数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
5460 5964 6202 6485 6936 7574 6770

項目

体表面(左胸)に、探触子(超音波)をあてて、心臓の様子を観察する検査の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

心臓の動きや壁の厚さ・心腔の大きさ、弁の逆流などを超音波を用いて調べます。初めての患者さま、経過観察で検査が必要な患者さまの増加に伴い、近年は件数が増えています。現在、4台の超音波検査装置で実施していますが、臨床に有益な報告と患者さまの待ち時間短縮に努めています。

11 ABI検査件数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
2113 2441 2113 1828 1659 2015 1604

項目

上腕と足首の血圧を測定し、動脈硬化の程度や血管年齢を調べる検査の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

ABI検査とは足首と上腕の血圧の比のことで、動脈の狭窄や閉塞を評価する批評です。健常人では足首の血圧がやや高くなっていますが、下肢血管の動脈に狭窄や閉塞があると、その部分の血流が悪くなり血圧は低くなります。このことから上肢と足首の血圧を同時に測定することで血管の狭窄の程度がわかります

12 血管エコー(頚動脈・下肢動脈・下肢静脈・腎動脈その他)
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
4242 4313 3614 3061 2406 2546 2067

項目

体表面に、探触子(超音波)をあてて、血管(動脈・静脈)の様子を観察する検査の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

動脈エコー検査:動脈に狭窄や閉塞などの有無を調べ、閉塞性動脈硬化症の診断に有用です。また、形態により動脈瘤や動脈解離などの有無を調べることができます。静脈エコー検査:血栓の有無や拡張・血液の流れ、逆流を調べます。

13 終夜睡眠ポリグラフィー検査件数
2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
210 245 114 81 37 32

項目

終夜睡眠ポリグラフィー検査の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の確定診断に行われる検査です。睡眠時無呼吸症候群を放置すると高血圧や不整脈などの循環器病を合併する危険が高まることが知られています。また、悪化させたりすることもあります。

14 核医学検査件数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
1398 1443 1027 971 1077 1208 919

項目

核医学検査の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

検査数の約95%を心臓核医学検査が占めています。近年、心アミロイドーシスでのPYPシンチ、認知症での脳シンチやMIBG交感神経シンチが増加傾向にあります。今年度は心臓専用半導体SPECTを導入し、患者さまの負担を低減したうえで高品質の画像が提供できる体制が整いました。核医学検査は、他医療機関様からの検査ご依頼にも迅速に対応させて頂きます。

15 CT検査件数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
4766 4551 4796 4660 4567 4898 4352

項目

CT検査の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

AI搭載型320列CTを使用しています。心・血管系に特化した様々なアプリケーションの他、最新のAI技術を搭載し、被ばく量や造影剤量を大幅に減らしつつ、質の高い画像を提供します。検査時における患者さまの負担や不安を、少しでも取り除くことが出来るよう、手技の向上、多職種連携に努めています。CT検査は、他医療機関様からの検査ご依頼にも迅速に対応させて頂きます。

16 冠動脈CT検査件数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
1449 1279 1313 1190 1054 1235 1006

項目

冠動脈CT検査の件数です。

定義・計算式

年間の実施件数

コメント

冠動脈を非侵襲的に評価するのが冠動脈CTです。狭窄・閉塞等の形態情報のみならず、心筋性状・虚血など機能情報まで提供できるよう、日々研鑽を積んでいます。検査においては、患者さまの負担・不安を少しでも取り除くことが出来るよう、スタッフ全員が心掛けております。冠動脈CT検査は、他医療機関様からの検査ご依頼にも迅速に対応させて頂きます。

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